令和3年度 福井県特別支援教育センター 研修講座一覧
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R3研修講座
香川大学
教授 坂井 聡 氏
香川大学教育学部教授の坂井 聡氏から、「知的障がいや発達障がいのある子どもたちへのICTを活用した支援・授業」についてご講義をいただきました。 講義の冒頭では、坂井先生から「障がいとは何か」と問いかけがあり、短編アニメーション「イアン~物語は動き始めた~(TTAF2020より)」や「ICFの概念図」をもとに受講者一人ひとりが自身の障がい観について考えました。坂井先生は、「障がいは特別なものではなく、誰もがもつ状態であり、経験するものである。活動や参加の制限が障がいである」と話されました。また、発達性協調運動障がいの疑似体験では、「きれいな字で書きなさい」のような、指導者の固定概念に基づいた言動が、子どもたちの障がいとなり得ることを体験し、さらに「障がい」の捉え方を深めました。 後半は、子どもたちの意欲を引き出す学び方やかかわり方の工夫について学びました。ICTの活用はその工夫の一つであることや、子どもがうまくできたとき、うまくできなかったときにどのような声かけをするとよいか等、坂井先生の実践例を具体的に教えていただきました。合理的配慮が子どもたちにとっても当たり前となるよう、「困っている子にはどんどん特別扱いするよ。ずるいことではないよ」と、機会をとらえて子どもたちに伝えていることをお聞きしました。 坂井先生は、「障がいの説明ができればICTの導入がしやすくなる」と話されました。講義では、指導上参考になるICT機器やアプリの紹介サイトだけでなく、障がいの捉え方や児童生徒への理解啓発をどのように進めていくか等、実践を進めていく上で土台となる大切な考え方について教えていただきました。 |
・「そもそも障がいとは何か」という視点で、合理的配慮の説明をしていただき、とても理解が深まりました。ICTの使用が目的ではなく、いかに合理的配慮の手段として活用できるかについて考えさせられました。 ・苦手なことを強いていないかということは、福祉相談やサービスを提供する側としても考えさせられました。 ・「特別扱いをどんどんして、どの子にも同じ景色を見せていく」という言葉がとても響きました。誰しもが困っているときに「困っている」と言え、助けてもらうことが当たり前になれば、特別扱いが当たり前になるのだと思います。 ・坂井先生に教えていただいた合理的配慮の考え方を校内で共有していきたいと思います。 ・どんな支援があれば「できる!」に繋がるのか、その引き出しを教師がたくさんもつ必要があると感じました。うまくいったら内的要因に、うまくいかなかったら外的要因にする。これは、自己肯定感を育てる上で、とても大切だと思いました。 |