令和3年度 福井県特別支援教育センター 研修講座一覧
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R3研修講座
フリーランス児童精神科医
門 眞一郎 氏
フリーランス児童精神科医 門 眞一郎 氏から、「発達しょうがいの理解とコミュニケーション支援」について、ご講義をいただきました。 前半は「自閉スペクトラム障害のある児童生徒の理解と支援~知的障害のないケースについて~」のご講義でした。「自閉スペクトラム」の減り(メリ)と張り(ハリ)の部分を解説いただいた上で、張りを生かした支援があることで、「障害」がつかないとのお話がありました。張りの部分は、目で見て理解することは得意であること、視覚的手段なら表出しやすいこと等が挙げられました。また、コミュニケーション支援としての視覚的構造化、空間や時間の構造化の必要性や有効性についてのお話があり、コミック会話やソーシャルスキルアルバム、パワーカードなどの具体的な技法を紹介いただきました。 後半は、「自閉スペクトラム障害のある児童生徒の理解と支援~知的障害のあるケースについて~」のご講義でした。具体的なコミュニケーション支援の方法として、PECS(絵カード交換式コミュニケーションシステム)について学びました。自発のコミュニケーション、とりわけ要求の重要性が示され、PECSにおける6つのフェイズそれぞれについて、動画による解説を交えながら教え方のポイントを詳しく教えていただきました。さらにPECSで教える9つの重要なコミュニケーション・スキルの中では、「まって」や「ない(NO)」を伝える重要性やその指導の方法について解説いただきました。「PECSが言葉を抑制する」という誤解を否定した上で、「影響があるとしても言葉の促進である」とお話されました。 前半、後半ともに門先生が繰り返したお言葉は「自閉スペクトラム障害の人に合理的配慮の一つとして視覚的な拡大代替コミュニケーション手段を保障しないことは、権利の侵害であり、差別行為であり、ネグレクトであり、心理的虐待ですらある」でした。支援者として襟を正す機会となったのではないかと思います。 |
・視覚的支援は障がいのある・なしに関係なく、必要だと分かりました。 ・メリ、ハリという言葉で表現されているのは初めてで、分かりやすく、優しい言葉だと思いました。 ・コミック会話やソーシャル・スキル・アルバムを2学期から取り入れようと思いました。 ・担任の指示が通らない子は、もしかして意味が理解できていなかったかも知れないと気づきました。 ・つい音声のみで子どもに接することがありましたが、これからはもっと視覚的支援を意識して授業などに臨んでいきたいです。 |