令和3年度 福井県特別支援教育センター 研修講座一覧
お知らせ
ありがとうございました。
R3研修講座
AM:2年目以上の特別支援教育コーディネーター
PM:全校種対象
※半日参加(AM/PM)または、1日通しての参加が可能です。
PM 13:30~16:00
PM: Microsoft Teams
元・岐阜特別支援学校 地域支援センター長
神山 忠 氏
午前の部は集合型の研修を予定していましたが、福井県独自の緊急事態宣言を受け、Teamsでのオンライン研修に変更して実施しました。 前半の、「学習障がいの理解とアセスメントの基礎知識」では、学習障がいの説明と困難さの状態を把握するためのアセスメントについて紹介しました。また、アセスメントの結果をどう読み取りどのように支援に繋げていくのか、演習を交えて考えていきました。後半の「発達段階に応じた支援と合理的配慮」では、合理的配慮について押さえた後、発達段階ごとの事例から、児童・生徒へのかかわり方や支援の在り方について講義を行いました。低学年の事例では、T式ひらがな音読指導、多層指導モデルMIM、音声付教科書について、実演しながら紹介しました。中学生の事例では、本人の心理面の配慮や周囲への理解・啓発、家庭との連携を欠かさず合理的配慮の変更・調整を繰り返し、合意形成を図っていったことを紹介しました。 午後の部は、元岐阜特別支援学校 地域支援センター長 神山 忠 氏から、「読み書きの苦手さへの理解と支援~当事者そして教育者の立場から~」について、ご講義をいただきました。 神山先生が文字中心の学習での困難さにどのように対応していったのか、努力しても「努力が足りない」「さぼっている」と言われ続けて心に傷を負ったこと、そのように苦しむ子どもは自分で最後にしたいという思いから教員を目指すようになったことなどが話されました。また、疑似体験として、手本を見ながら一生懸命書いているのに鏡文字になってしまう体験や、頑張って書こうとするとかなり負荷がかかる体験をしました。神山先生の場合は、「相談」を「相だん」などと書く“交ぜ書き”が分かりにくかったり、ひらがなのルビが余計に理解しにくかったりするなど、人によって状態が違うため、支援を考えるときには本人の思いを確認することや苦手さの状況をしっかり観察することが重要であると伝えられました。最後に、気になる子どもを「普通」にすることや、集団の中に入れることを目指す教育ではなく、一人ひとりがもつ得意分野を生かし、多様性を認め、多様な学びやゴールがある教育をイノベーションすることが大切であり、そのためにも、基礎的環境整備を整え、持続可能な合理的配慮を可能にし、本当の平等・公平とは何かを考えていかなければならない、と締めくくられました。 |
<AM> ・アセスメントの見立てから支援の方針を立てるまでを、具体的なケースに基づきながら演習形式で考えることができました。また、チャットで意見を述べる時間もあり、能動的に受講できてよかったです。 ・まずは、困っている子どもたちに寄り添い、背景要因を丁寧に探る力を身につけたいと思いました。 ・特に中学生の事例から、合理的配慮は、本人の意思を尊重することが大切であることを改めて感じました。 ・LDパッケージに載っていた内容でも全部を読むのには時間がかかるので、実際に具体的に教えてもらえて分かりやすかったです。 <PM> ・読みや書きに苦手さがある子が、どのような世界観で過ごしていて、どのようなことに困り感を抱いているのか、当事者である先生の生の声を聞けてよく分かり、大変貴重で有意義でした。 ・今まで行ってきた支援は良かったのだろうか、何気ない一言で子どもを傷つけていなかったかと、自分のかかわりの中で反省する点がたくさんありました。 ・一人ひとり違った理解への道すじがあることが分かり、本や研修から学んだ支援方法をそのまま実践するのではなく、目の前にいる子どもに寄り添い、対話しながら、一緒に模索していく必要があると改めて感じました。 ・教員が、知らない、理解がないということが、こんなにも子どもたちを苦しめるということを改めて感じました。まずは、今日学んだことを全職員に伝達したいと思います。 |