平成30年度 福井県特別支援教育センター 研修講座一覧
カウンタ
COUNTER
21870
H30 研修講座
研修講座
No.10 「やればできる!」と思えるためのICT活用について
一緒に考えてみませんか? アドバンス
実施日
平成30年8月6日(月)10:00~16:00
会場
福井県立大学 共通講義棟
講 師
兵庫教育大学大学院
准教授 小川 修史氏
講師紹介
和歌山大学大学院システム工学研究科博士課程修了後、兵庫教育大学大学院学校教育研究科の助教・講師を経て、平成28年より現職。主に特別支援教育、特に自閉症や発達障害のある子どもに対するICT活用に関する研究に取り組み、全国各地で講演活動を行っておられます。昨年度も本研修講座でICTをテーマに講師を務められ、分かりやすく楽しい講義は、大好評を博しました。主な著書:「発達障害のある子供たちのためのICT活用ハンドブック―特別支援学級編―」(文部科学省委託事業)、「決定版!特別支援教育のためのタブレット活用」(ジアース教育新書)
受講のポイント
発達障がいの子どもたちを支援するにあたり、困難さの支援と同時に主体性やモチベーションを支援することが重要です。さらに、「頑張れば成長できる」という見通しを、子どもたちが実感できるための環境調整や配慮が必要になってきます。昨年度から引き続いて、ICTの活用法や可能性について学びます。
参加者
参加者合計 122名
講座概要
午前中には,兵庫教育大学大学院の小川修史先生から、合理的配慮の基本的な考え方や,求められる教師の姿勢についてご講義をいただきました。合理的配慮を検討していく際には,「その子が何に困っているかを傾聴すること」の重要であること,「やればできる!」と子どもたちが思えるようにするためには,教師や学校による様々な工夫が必要であることなどを学びました。また,ICTの活用に際しては,子どもたちのコミュニケーションを支援するツールとして活用していくことの重要性について指摘がありました。また,自閉スペクトラム症の方の思考回路が人工知能のロジックと似ていることを踏まえて,路線図で説明する演習を行いました。
午後には、ICTを効果的に活用するためのスキルを伸ばすために,実際にタブレット端末の「カメラ機能」のみを活用してユニークなCM作品をグループで制作する演習を行いました。各グループでは,工夫を凝らしながらユニークな作品を作りました。他のグループの作品を見てまわって,とても盛り上がりました。最後のまとめでは,ICTの活用方法として,①しんどい時に戻れる環境を整備するためのICT,②チャレンジする意欲を支えるモチベーション支援としてのICT,③困りに対する合理的配慮としてのICT,の3つが重要であることを確認しました。
備考
右下の「詳細を表示」をクリックすると講座の概要,当日の様子(写真),参加者の声等が表示されます。
参加者の声
・ICTの活用のためには,自分自身の考えが大切だということを強く感じました。子どもたちが「やればできる」と思えるようなかかわりを日々していきたいです。
・実践的な内容で,ICTについての考え方が変わりました。知的障害や自閉症の生徒の気持ちに寄り添って「一緒に考える」ことを実践していこうと思います。
・小川先生のお話で,ハッとさせられることがたくさんありました。自分は「子どもファースト」ではなく「ICTファースト」に近い状態だったと反省しました。ポジティブストレスとネガティブストレスについてのお話や,合理的配慮についての説明も説得力があり,自分の中にストンと落ちました。
・「子どものモチベーションをコーディネートする力が求められている」という言葉が心に残りました。そのためにも,子どもと信頼関係を築くことを,2学期以降意識していきたいと思いました。
・午後の演習でやったように,タブレット端末の写真機能だけでもワクワクするものを簡単に作ることができるので,学校で子どもと一緒にやってみたいと思います。
・昨年度も参加させていただきましたが,講義内容もバージョンアップされており,また二回目だからこそ理解できることも多く,参加してよかったです。