平成30年度 福井県特別支援教育センター 研修講座一覧
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H30 研修講座
研修講座
No.11 保護者相談に活かせる傾聴の基本的態度姿勢とガイダンスの方法
一課題のある子どもをとらえるまなざしと支援を考えるために- アドバンス
※幼児教育支援センターとの連携講座
実施日
平成30年8月17日(金)10:00~16:00
会場
福井県立図書館
講 師
関西外国語大学
准教授 堅田 利明 氏
講師紹介
大阪教育大学教育学部特殊教育特別専攻科言語・聴覚障害児教育課程修了。言語聴覚士。知的障害児・肢体不自由児通園施設、知的特別支援学校を経て、大阪市立小児保健センター言語科に勤務後、現職。乳児期から青年期までの哺乳・摂食嚥下機能障害、言語・コミュニケーション障害のある方への支援に25年以上臨床を続けてこられ、近年は、吃音のある子どもをもつ保護者支援や障害のある子どもの保護者・きょうだい支援に携わっておられます。主な著書:「キラキラどもる子ものものがたり」「キラキラどもる子どものものがたり続編、少年真一の成長記「特別支援を難しく考えないために」(海風社)
受講のポイント
言語やコミュニケーション、発達に気がかりさがある子どもの保護者が抱く心情を推し量りながら、保護者の話を聴くための基本的態度と姿勢、支援の手立てを考えます。なかでも、吃音のある子どもの事例から、保護者への支援、クラスの子どもたちへの具体的な介入方法について学習を深めます。
参加者
参加者合計 163名
講座概要
関西外国語大学 准教授の 堅田 利明 氏を講師にお迎えし、「傾聴」の基本的態度姿勢を体得するためのアドバンス研修を行いました。
最初に堅田先生の指示で、できるだけ初対面同士の3人グループを作りました。午前中は、聴き手の態度について堅田先生の講義をお聴きしながら、相談者に軸足を置いて話を聴くこと、相談者に寄り添うために助言や指導、アドバイスを止めて、話をしっかり聴くこと、話すスピードやうなずきは意識してゆっくり行うこと、自分の話すときのクセを知ることなど、グループでの演習を通して「傾聴」のポイントについて学びました。
午後は、午前と同じグループで話し手と聴き手、観察者の役割を交互に行いながら、事例をもとにして「傾聴」の演習を行いました。最初に堅田先生から、話し手は事例の資料を見ずに、自分のこととして話すこと、聴き手は情報を取捨選択せず、自分が話し手になったような姿勢で聴き「伝え返し」をすること、観察者は話の情景を想像しながら聴き、聴き手の良いところを探すこと、との指示がありました。受講者から「難しい・・・」というため息がもれましたが、午前の演習が活かされ、それぞれのグループが3つの役割を丁寧に、そして一所懸命に取り組んでいる姿が見られ、最後に会場は「話せた」「聴いてもらえた」という満足感に包まれていました。
備考
右下の「詳細を表示」をクリックすると講座の概要,当日の様子(写真),参加者の声等が表示されます。
参加者の声
・今までの相談では、「何かアドバイスをして解決方法をみつけないと・・・」と思っていましたが、相談者の話を本気で聴くことや話を確認してズレを修正していく大切さを知りました。自分が相談者役になったことで、相談者の気持ちが分かったことが大きな収穫でした。
・演習が多く組み込まれており、体験的に学ぶことができました。初めて会った方と一日グループワークができたことで、自分自身やメンバーの変容がよく分かりました。
・普段私たちは「相談される側」であることが多く、同僚に相談する場合でも「相談される側」同士の話になっていることに気づかされました。「相談する側」に軸足を置く体験は新鮮で、新たな角度から物事を捉えることの意味を知ることができました。