平成30年度 福井県特別支援教育センター 研修講座一覧
カウンタ
COUNTER
21870
H30 研修講座
研修講座
No.13 気がかりな子を包み込む集団づくり(幼保・小)
-子と集団をつないでいく保育者・教師の役割とは-
※幼児教育支援センターとの連携講座
実施日
平成30年8月23日(木)13:00~16:00
会場
福井市きらら館
講 師
仁愛女子短期大学
准教授 増田 翼 氏
講師紹介
佛教大学教育学研究科生涯教育専攻修了。博士(教育学)。平成22年9月より現職。仁愛女子短期大学では、教育原理、保育原理、教育社会学、教職論などの講義を担当されています。また、平成25年4月からは福井大学医学部非常勤講師も務めておられます。主な著書:「斎藤喜博教育思想の研究」(ミネルヴァ書房)、「新・保育実践を支える保育の原理」(福村出版)、「保育者のためのキャリア形成論」(建帛社)など。
受講のポイント
合理的配慮や特別な支援が必要な子どもへの「個別のかかわり」と「集団づくり」という両面からのアプローチが求められるなかで、保育者・教師が見失ってはいけない視点とは何かを学びます。
参加者
151名
講座概要
仁愛女子短期大学准教授の増田翼先生から、保育者・教師が、支援の必要な子ども理解を進めるために見失ってはいけない視点とは何かを学ぶことを目的に、「気がかりな子を包み込む集団づくり」について、演習を盛り込んだご講義をしていただきました。
前半は、インクルーシブ教育への転換となったサマランカ声明や障害者権利条約などの歴史的背景を詳しくお話してくださいました。インクルージョンの実現のためにこれから考えなくてはならないことは、多様性を包み込む「共生」を目指していくことだと話されました。また、一人ひとりの関心、能力および学習ニーズを把握したうえで、一人ひとりの学びが保障されているかどうかが重要であると話されました。さらに、ニーズを把握するとは、その子の生きてきた背景を踏まえること、その子の生きている文脈に近づくこと、そしてその子の生きていくこれからを思い描くことだと説明され、これらが保育者や教師にとっての専門性であることを話されました。
後半では、「学びの物語」アプローチ演習をご紹介いただき、グループワークを行いました。「学びの構え」として①関心 ②熱中 ③困難 ④表現 ⑤貢献、の5つの観点があること、人が学ぶときの重要なキーワードになることを演習を通して教えていただきました。さらに、「子どもを中心に」保育や教育を進める教師の存在は、必ず子ども達の「支えられている実感」や「安心感」を育んでいくことにつながると話されました。さらに、日本の「通常学級文化」の問題点と今後についても語ってくださいました。子ども理解を進めるために、一人ひとりのニーズをしっかり把握し、その子に合った教育方法を創造することの積み重ねが重要であると熱く語ってくださいました。
備考
右下の「詳細を表示」をクリックすると講座の概要,当日の様子(写真),参加者の声等が表示されます
参加者の声
・一人一人を理解し、ニーズを読み取ることの大切さを深く学ばせていただきました。
・子どもの未来を思い描く、創造的な営みが教育であると再認識できました。
・普段あまりない小学校の先生との話の場は、現在困っている園児が今後どうなっていくのか、どう援助していくとよいか考える機会になりました。
・過去にあった事実から支援を考えることがほとんどでしたが、子どもの近い未来の姿を予想して、そこから支援を考えるという新しい視点をもつことができました。