平成30年度 福井県特別支援教育センター 研修講座一覧

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H30 研修講座

研修講座

No.15  交流及び共同学習の取組

  -互いに理解し、学び合う交流をめざして-

実施日
平成30年8月8日(水)13:00~16:00
会場
福井県立大学 共通講義棟
講 師

福井大学大学院 准教授  新井 豊吉


県高校教育課主任

講師紹介
 東京学芸大学大学院教育学研究科障害児教育専攻修了。臨床発達心理士スーパーバイザー。東京都内の小学校特別支援学級、特別支援学校等に長く勤務され、東京都立あきる野学園主任教諭、十文字学園女子大学非常勤講師を経て、現職。福井はもちろん、全国各地の学校や福祉施設のスーパーバイザーとして活躍されています。
受講のポイント
 新学習指導要領を踏まえて、交流及び共同学習において、児童生徒が育ち合い、学び合うための活動の進め方やポイントについて学びます。また、福井県内の特別支援学校、および小・中学校双方の実践の動向について知り、情報交換をします。
参加者
52名
講座概要

福井県教育庁高校教育課 特別支援・発達障害児グループ指導主事、西岡弘泰氏より、「交流及び共同学習の現状と課題」について御講義いただきました。今年度施行された福井県共生社会条例、福井県手話言語条例の紹介があり、交流及び共同学習の形態と福井県の実施状況の説明、実際の実践事例についてお話ししていただきました。

その後、福井大学連合大学院教職開発研究科 准教授 新井豊吉氏より、「互いに理解し、学び合う交流をめざして」というタイトルで、新井先生が交流学習を実践する中で感じてきたこと、大切にしたいことを御講義いただきました。

まずは、校内(特別支援学級と通常学級など)で交流ができていなければ、学校間の交流は難しいだろうという話がありました。その際に、「お世話する-される」関係ではなく、互いに認め合う関係を目指していかなければならないとのことでした。また、発語のない特別支援学校高等部の生徒の事例、重度の自閉症児の事例を、動画を交えてお話していただきました。実際の事例から「場の共有だけでは、交流とは言わない。」「過度な人間関係を強要するのではなく、それぞれに無理のない形でお互いに有意義な経験にしていくべき。」という先生の交流及び共同学習に対する思いをお聞きすることができました。
 最後に、グループ演習では、実際に他県の特別支援学校高等部の合同音楽の授業参観で起きた事例について、保護者の思い、学校とのズレ、解決策などについて意見交換をし、「交流及び共同学習とは人権教育だ」ということを、受講者の先生方で共有することができました。

備考
右下の「詳細を表示」をクリックすると講座の概要,当日の様子(写真),参加者の声等が表示されます
参加者の声

・交流及び共同学習は、人権教育だという言葉に大変勇気をもらいました。

・現在、自閉症の生徒や不安症、適応障害の生徒たちの交流をどうするか悩んでいたので、今日の話はとても役に立ちました。無理せず、ビデオ等間接交流という方向も含めて、やっていこうと思います。

・通常学級の先生に引け目を感じていることが私にもあったと今回振り返ることができました。私自身の何気ない行動で、児童の人権を傷つけることがないように気をつけていきたいです。

・交流で、みんなと同じ空間にいることに意味を見出すのではなく、本人がどう思うのか、保護者の思いは何か、それに寄りそうことの大切さに気付かされました。

・交流をする際には、お互いにとってどんな意味があるのか、本人の状況をふまえ見極めること、また、そのことに関わる周囲の人々の話し合い、合意形成がとても大切だと思いました。