平成29年度 福井県特別支援教育センター 研修講座一覧

昨年度以前の研修講座の報告


◆過去の研修講座の報告はこちらから
       →  
平成24年度  平成25年度  平成26年度  平成27年度  平成28年度   平成29年度 
                                           平成30年度       平成31年度 

カウンタ

COUNTER 35237

H29 研修講座

研修講座
No.5  みんながつくる みんなの学校      【管理職対象】
      一子どもたちがともに学び合う学校をつくる-
実施日
平成29年5月19日(金)14:30~16:30
会場
福井県立大学 交流センター
講 師
大阪市立大空小学校
初代校長  木村 泰子 
講師紹介
武庫川学院女子短期大学教育学部保健体育学科(現、武庫川女子大学短期大学部健康・スポーツ学科)卒業。平成18年に開校した大阪市立大空小学校初代校長。「みんながつくる みんなの学校」を合い言葉に、すべての子どもを多方面から見つめ、全教職員のチーム力で、すべての子どもが学び合う学校をつくることに情熱を注がれました。学校を外に開き、教職員と子どもとともに地域の人々の協力を経て学校運営にあたる他、特別な支援を必要とする子どもも同じ教室でともに学び、育ち合う教育を具現化されました。主な著書:『「みんなの学校」が教えてくれたこと‐学び合いと育ち合いを見届けた3290日‐』(小学館)、『「みんなの学校」流  自ら学ぶ子の育て方』(小学館)」など。
受講のポイント
大阪市立大空小学校の初代校長として、学校と地域が協力しながら、子どもたちが学び合える学校づくりに取り組まれました。その実践をエピソードを交えながらご紹介いただきます。
参加者
参加者合計 206名
講座概要
 大阪市立大空小学校初代校長の木村泰子先生より、校長として勤め上げたご経験をもとにご講義をいただきました。木村先生は校長時代、学校を外に開き、地域の人たちの協力も得ながら学校運営にあたられました。また、支援を要する子どもも同じ教室でともに学び、互いが育ち合う教育を実践されました。それらの実践をご自身のエピソードを交えながら、お話しいただきました。
 はじめに、『みんながつくる みんなの学校』(文部科学省特別選定)映画のテレビ版を観ました。その映画では、教室を飛び出す児童が登場しました。“やり直しの部屋”の校長室で自分を振り返り、失敗から学び直していく過程が描かれていました。学校を休みがちな児童も登場しました。地域のサポーターの温かい見守りや心配りによって自発的に登校し、卒業式で挨拶する姿は感動的でした。
 その後、木村先生の講義に移りました。先生は、開校と同時に校長に就任して以来、「公立学校の使命とは」、「校長の責任とは」と問い続けてこられたそうです。それは、子ども一人一人が地域の学校に自分の居場所をもち、自分らしく安心して学べることだと述べられました。子どもたちにつけたい力として、多様な国際社会で存分に力を発揮できるように、人を大切にする力、自分の考えをもつ力、自分を表現する力、チャレンジする力の4つを教職員全員で考えました。学校にはいろんな子どもがいて当たり前であるという前提から、将来生き抜く必要がある多様な社会を学校の中につくり、トラブルも含めた多様な体験をさせていきました。全校道徳では、テーマに対して教職員も地域のサポーターも子どもたちも対等に意見を出し合います。どんな意見も排除されず、安心して意見が言えます。これは大空小学校の根幹として貫かれました。これらを通して大空小学校では子ども同士が学び合い、育ち合う力が養われたとのことでした。木村先生のご講義は、特別支援教育のあるべき姿を改めて見つめ直す機会となりました。

備考
右下の「詳細を表示」をクリックすると講座の概要、当日の様子(写真)、参加者の声等が表示されます。
参加者の声
・子ども同士の関係を分断させない教育のあり方を改めて考えさせられました。
・「校長の責任とは、安心して学ぶ居場所がある学校をつくること」という教えは、実践に裏打ちされ、説得力がありました。
・「目の前の子どもをみんなで見ていく大空小学校は、学校全体が学びの場である」という木村先生のお言葉が特に心に残りました。
・「学校はあるものではなく、創るものである」というお言葉は、自分自身の指針になりました。