平成29年度 福井県特別支援教育センター 研修講座一覧

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H29 研修講座

研修講座

No.9  気がかりな子を含めた集団づくり・クラスづくり(幼保・小)
     一園での支援から就学までを見据えて-  ※幼児教育支援センターとの連携講座
会場の定員に達したため、6/30をもって受講申込みを終了しました

実施日

平成29年7月25日(火)10:00~16:00

会場

福井県立大学 交流センター

講 師

日本相談支援専門員協会顧問
長野県地域支援力向上スーパーバイザー
福岡 寿 

講師紹介
東京大学文学部卒業。中学校教師を経て、知的障害者施設指導員となられました。平成8年度より、地域療育支援事業(現「障害児等療育支援事業」)コーディネーターとして、のべ1,000件を超える保育園などに出向き、具体的な対応について、現場の保育士らに助言されました。平成15年、「知的障害者施設「コロニー西駒郷」地域生活移行の取組に関わられました。その後、長野県で発達障害児の療育支援システムに取り組む一方、日本相談支援専門員協会顧問として、全国各地の相談支援体制づくりに取り組んでおられます。主な著書:「こうすればできる!発達障害の子がいる保育園での集団づくり・クラス作り」(エンパワメント研究所)、「地域生活のススメ」(Sプランニング)
受講のポイント
発達障害があり、支援が必要な子どもの配慮の仕方や支援体制づくり、保護者への向き合い方について学びます。また、小学校への就学に向けて、途切れない支援の引き継ぎについても考えます。小学校の先生方にもお勧めします。
参加者
151名
講座概要

 日本相談支援専門員協会顧問の 福岡 寿 氏から、「気がかりな子を含めた集団づくり・クラスづくり」「発達特性のある子ども・家族への配慮と支援の在り方」について、ご講義をいただきました。
 午前は、「園での集団づくり」を中心にお話されました。最初に、園は一つの社会集団であり、「園児」としての社会的振る舞いが必要とされること、担任は一度園児が経験したことに対して繰り返しの指示はせず、園児自らが手掛かりに気づける仕掛けや環境を作って、「群れ」を「集団」に変えていくことについての説明をいただきました。また、活動では声かけや個別対応で園児を集めるのではなく、活動を動かすコアメンバーを軸に、思い切りできる活動を工夫していくことが大切であることについても話されました。発達障害児への対応としては、特性を理解し、園で落ち着ける場所と活動をセットで設定すること、担任と加配保育士の連携が重要であることを、豊富な園訪問の実例をもとに、ユーモアたっぷりにご紹介いただきました。
 午後は、「発達特性のある子ども・家族への配慮と支援の在り方」についてのお話でした。発達障害児に対しては、「何が何でもみんなと一緒に」は二次障害を引き起こすだけなので、得意なところを伸ばし、苦手なことはどうやって逃れるかを本人と一緒に考えていくことが大切であると話されました。また、保護者の障害受容に対しては急がず、我が子の発達の特異性と配慮の仕方に気づいてもらうこと、早期から本人や家族に寄り添えるように支援体制を整えていき、学校へ引き継いでいってほしいと熱く語っておられました。
 最後の質疑応答では、乱暴な行動をする子への対応、消極型スペクトラム(担任が気がかりさに気づきにくいタイプ)の子に対しての支援について、具体的に答えてくださいました。

 

備考
事前に必ず実施要項を御確認いただき、ご参加ください。
参加者の声

・福岡先生のお話と熱い思いに心を打たれました。支援を要する子が苦手な場面では、それをどう乗り切るかの作戦を本人と一緒に立てながら、授業を考えていきたいと思いました。
・手を出しすぎないこと、子どもの自己肯定感をプロデュースすることなど、中学生にもまだまだ必要なことだと感じました。
・今までは、気がかりな子に寄り添うのか、毅然とした態度で臨むのがいいのかが分からず、実際の場面になると悩んでいました。先生のお話を聞いて気持ちが楽になり、明日から実践できる具体的なヒントをたくさんいただきました。
・幼稚園や保育所での取組を受けて、小学校でできる支援について考えることができました。
・就学相談の実際や就学後の支援会議のもち方について知ることができました。「支援会議は、問題が起きてからでは遅い」という先生の言葉が心に残りました。
・「加配の先生の役割は頭脳労働」ということを、園に帰ってから他の職員に伝えたいと思いました。