平成29年度 福井県特別支援教育センター 研修講座一覧
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35237
H29 研修講座
研修講座
No.10 通常学級で活用できる読み書きに困難のある子どもへの早期把握・早期支援
一多層指導モデル(MIM)を用いた実践から-
一多層指導モデル(MIM)を用いた実践から-
実施日
平成29年7月27日(木)10:00~16:00
会場
福井県立大学 交流センター
講 師
国立特別支援教育総合研究所
主任研究員 海津 亜希子 氏
主任研究員 海津 亜希子 氏
講師紹介
東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科 学校教育学専攻 教育方法論講座修了。博士(教育学)。特別支援教育士スーパーバイザー、臨床心理士、学校心理士。学習障害を専門に研究され、つまずきが深刻化する前の指導・支援に着目しMIMを開発されました。平成26年より、日本LD学会の理事に就任。主な著書:「多層指導モデルMIM読みのアセスメント・指導パッケージ:つまずきのある読みを流暢な読みへ」 (学研教育みらい)、「個別の指導計画作成ハンドブック-LD等、学習のつまずきへのハイクオリティーな支援-」(日本文化科学社)
受講のポイント
MIMは、通常学級での学習につまずきを示す子どもの早期把握・早期支援を実現するためのアセスメントと指導が連動した学力指導モデルです。特に,特殊音節などを含んだ語を、正確に素早く読む力(流暢性)を着実に培います。実践例を踏まえながら、効果的な支援について学びます。
参加者
参加者 261名
講座概要
国立特別支援教育総合研究所 研究企画部主任研究員の 海津 亜希子 氏から、「多層指導モデルMIMとは何か」「多層指導モデルMIMによる効果と実践例」について、ご講義をいただきました。
午前は、「多層指導モデルMIMを開発した背景」を中心にお話されました。子どもが学習につまずく前や、またつまずきが深刻化する前に指導支援を提供することで、学習に手応えを感じさせ自己評価やモチィベーションを向上させることを目指したことなど、MIMを開発した背景を詳しくお話していただきました。またMIMにおけるアセスメントMIM-PMの演習を通して、アセスメント結果をどう指導につなげていくかについて、教えていただきました。
午後は、「多層指導モデルMIMによる効果と実践例」について、3段階のステージごとの実践例を、動画や教材で多数ご紹介くださいました。また、MIMの言葉カードを用いた演習では、楽しみながら読む力を付けていくゲームをご紹介いただきました。またセンター所員からは、福井県内でのMIMの取組を紹介しました。
最後に、MIMに関する校内支援体制を構築している学校や、自治体でMIMに取り組んでいる地域の実践など、先進的なMIMの取組についてもご紹介いただきました。数々の実践から得られたエビデンスとして、読むことは学びの基礎となる力であり、できるようになった経験やがんばりを認められた経験を通じて、肯定的な自己像を築き上げていくことにつながることを、熱く語ってくださいました。
備考
右下の「詳細を表示」をクリックすると講座の概要、当日の様子(写真)、参加者の声等が表示されます。
参加者の声
・海津先生のお話を聞いて、段階的に読みの指導をしていきたいと思いました。その糸口が得られて良かったで す。
・読みに困難さを抱えている子どもに対して、どのようにアプローチしたらよいのか具体的な道筋が分かりました。
・海津先生のお話は、教材や方法論だけでなく、いつも子どものエピソードが添えられていて、子どもや教師の心情に寄り添ってくださっていることが伝わりやる気が出ました。
・「読み書きのつまずきに対して“そのうち何とかなるだろう”と様子を見る指導は大変危険である。取りこぼしのない指導の工夫が必要である」という言葉がぐっと胸に響きました。読み書きだけでなく、学習全般に対して意識を変えていかねばならないと改めて思いました。