平成29年度 福井県特別支援教育センター 研修講座一覧

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H29 研修講座

研修講座
No.14  自閉スペクトラム症の理解と支援
      一人間関係に悩む子どものためにできること
会場の定員に達したため、6/30をもって受講申込みを終了しました
実施日
平成29年8月8日(火)10:00~16:00
会場
福井県立大学 共通講義棟
講 師
兵庫教育大学大学院西国際大学大学院
教授  井澤 信三 
講師紹介
東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科(博士課程)修了。博士(教育学)。平成12年より兵庫教育大学に着任。平成26年より現職。自閉症スペクトラム障害を主とする発達障害児・者とその保護者、支援者等を対象として、応用行動分析学に基づいた行動支援に関する臨床サービス・臨床研究を行っておられます。主な著書:「ちゃんと人とつきあいたい―発達障害や人間関係に悩む人のためのソーシャルスキル・トレーニング―」(エンパワメント研究所)、「発達障害研究から考える通常学級の授業づくり―心理学、脳科学の視点による新しい教育実践―」(金子書房)
受講のポイント
人とのかかわりが苦手な子どもに身につけてあげたい力は、ケースに応じて様々です。行動観察から、個に応じた目標設定やSSTなどの具体的な支援方法について学びます。
参加者
262名
講座概要

兵庫教育大学大学院特別支援教育専攻障害科学コース 教授 井澤 信三 氏から、「自閉スペクトラム症のソーシャルスキル等のつまずきの理解とその基本的な支援方法」「自閉スペクトラム症のソーシャルスキル等のつまずきの理解とその応用的な支援方法」について、ご講義をいただきました。
 午前は、「自閉スペクトラム症の特性と基本的な支援方法」を中心にお話されました。自閉スペクトラム症の当事者が語っている映像で、独特な物の捉え方や見え方を理解した支援をする必要があることを説明されました。また、基本的な支援方法としては、視覚的に分かりやすく、具体的な言葉で伝えること、目標やルールの基準をはっきり示すこと、望ましい行動をほめてやる気を高めることが大切であると話されました。さらに社会的コミュニケーションのつまずきに対する支援については、最も大切なことは関係作りであり、その上でルールを伝えていくようにする方法を、井澤先生が実際に子どもとかかわっている映像を通して説明をいただきました。伝え方はよくても、行動が状況にそぐわない場合や、伝える内容はよくても、伝え方が不適切である場合は、適切な状況理解と振る舞い方を教授するSST的対応が必要であると話されました。

 午後は、「自閉スペクトラム症児の個に応じたソーシャルスキル支援のポイントと方法」についてのお話でした。ポイントとしては、目標とする行動は、可能な限り本人がよく遭遇する「状況-行動-結果」から選定することが大事であること、本人の特性に応じた対応方法を選定すること、本人の思い・言い分を尊重した支援を行うことの3つのことを話されました。また、問題解決に向け高機能自閉症ケースと交渉する際のコツとしては、信頼関係を築いている者が、対象児の価値観に沿って話を進めていくとよいこと、そして、妥協点、接点を探り出すこと、その際、視覚的な図式化を行うなどの工夫があるとよいと話されました。
 演習では、受講者が担当している自閉スペクトラム症の子どもを想像してソーシャルスキルチェックリストの記入を行い、それを基に「不適切な社会的行動」を「適切な社会的行動」へ指導支援するための計画立案シートを作成しました。受講者同士でシートを共有しながら、自分自身の支援を振り返る時間となりました。
備考
事前に必ず実施要項を御確認いただき、ご参加ください。
参加者の声
・具体的な事例を挙げて説明してくださったので、自閉スペクトラム症の考え方、感じ方、捉え方などがよく分かりました。勤務校の子どもの顔を思い浮かべながら聞くことができました。
・自閉症の方の世界を知るだけでなく、具体的な言葉かけの仕方や指示の出し方、教材の提示、対処法などを学ぶことができました。
・社会的スキルの知識(ルール)、伝えるための「見える化」、かかわる子どもとの関係づくり、感情コントロールについての実践を今後取り入れていきたいです。
・成人になられた当事者の方の語りから、子どもの頃、たくさんの不安を抱えていたことが伝わってきました。
・演習で自分の実践を振り返り、整理することができました。また、周囲の方と共有でき、新しい支援法に気付かされました。