平成28年度 福井県特別支援教育センター 研修講座一覧

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H28度 研修講座報告

研修講座
No4 「困った」から子どもが「わかる、動ける、育ち合う授業づくり」を目指して(特支校) 【終了】
   -知的障害・自閉症教育における確かな授業づくり-
実施日
平成28年8月3日(水)
会場
福井県特別支援教育センター
講 師
上越教育大学大学院准教授       
  村中 智彦
講師紹介
広島県出身。平成8年3月広島大学大学院学校教育研究科障害児教育専攻修士課程修了。修士(教育学)。博士(学校教育学)。学校心理士SV。平成8年4月広島市北部障害者デイサービスセンター指導員(平成9年3月まで)。平成9年4月上越教育大学・助手。その後、講師を経て現職。専門分野は、知的障害・自閉症児の心理・指導法、応用行動分析。主な著書:「学び合い、ともに伸びる授業づくり」(編著、明治図書、2013)、「困ったからわかる、できる授業づくり」(編著、明治図書、2015)、「知的障害児の指導における課題遂行の促進」(溪水社、2015)
受講のポイント
授業づくりには、子どもの思考や行動の背景を理解することが必要です。様々な実践の紹介から、行動理解のポイントや「学び合い、ともに伸びる」授業づくりについて学びます。
参加者
75名
講座概要

上越教育大学准教授の村中智彦先生を講師に、講義と演習が行われました。午前は行動問題の捉え方と適切な支援について、午後からは「困った」から「わかる、動ける」に変わる授業づくりの考え方と方法についての内容でした。

行動問題については、どの場面の、どんな行動が問題なのかを捉え直すことが必要であることが話されました。ひとまず逃げようとする「逃避」や人に構ってもらおうとする「注目」などの行動問題も、行動の捉え直しをするとともに、その対応として、本人にかみくだいて具体的に話すなど「わかる・伝わる」教示が必要である。このような行動問題の事後対応と同時に、適切な行動を増やしていくことで、行動問題を減らすことにつなげていくこと、子どもができる活動を授業の中に組み込み、授業への参加度を上げていくことも大切だとのことです。

授業づくりのポイントとして、子ども自身の行動を引き出すため、物や人の支援を徐々に薄めていくような調整をしていくことを挙げてくださいました。また、TT支援がある場合は、TTをうまく機能させるため、それぞれの教員の立ち位置の確認や子どもの参加状況をできるだけ声に出して報告し合うことなどもポイントとして挙げられました。
 本講座は、多くの映像と具体的な事例を通した講座で、日々かかわっている子どもと結び付けて聴講できました。

参加者の声

事例を紹介しながら、子どもの行動理解のポイントや支援の仕方について、わかりやすくお話してくださり、大変勉強になりました。

・質疑応答や演習などにより、行動問題が起きやすい場面のイメージができ、理解しやすかったです。

・子どもとの距離感や手がかりの提示について、自分の対応を振り返る機会となりました。過剰な支援ではなく、適切な支援を行うことを意識して実践していきたいです。

・教師間の役割分担をしっかり行い、授業の展開に応じて、柔軟に役割を切り替えるなど連携を大切にし、子どもがわかって動ける活動場面を増やしていきたいです。