令和4年度 福井県特別支援教育センター 研修講座一覧
お知らせ
R4 研修講座のご案内
◆ パンフレット(pdf)→ R4研修講座パンフレット.pdf
◆ パンフレットに記載されている予定会場は、変更になる場合があります。
◆講座開催日の約1ヶ月前に本ページで「詳細な実施要項」を公開します。
「詳細な実施要項」で会場や準備物を必ずご確認ください。
R4研修講座
長崎大学 教授 岩永 竜一郎氏 氏から、「発達障がい児者の感覚と運動の支援」について、ご講義をいただきました。
初めに、姿勢が崩れる、文字が整わない、麻痺がないのに不器用などの困難さを抱える発達性協調運動症(DCD)は楽観視されやすい。しかし、DCD児は、自己概念が弱く友人関係も苦手になりやすかったり抑うつ傾向が見られやすかったりし、二次的な問題につながることもあるので、自己効力感を高めていく必要があるとお話されました。また、注意欠如・多動症(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)とDCDの併存率の高さから、ADHD児やASD児の支援の際にもDCDへの支援を同時に考える必要があることもお話されました。また、実態把握の必要性から、感覚・動作アセスメントツール等のご紹介もしていただきました。
運動面への支援では、まず服薬の効果について説明していただきました。また、感覚統合療法や実際の療育での取組について、写真や動画を交えながら、姿勢・筋緊張・筋力を高める活動や、目と手、目と足の協調活動についての具体的な支援方法を詳しく教えていただきました。さらに、姿勢や運動の問題について、日常生活における工夫や不器用さに対する支援グッズなどもご紹介いただきました。
感覚面への支援では、ASD児においては、感覚過敏は情緒不安定になると強くなるので、まずは構造化などによって不安を取り除いた上で、環境調整や防衛グッズの使用、刺激の段階付けなどを行っていき、刺激の受け入れの幅を広げていくとよいとお話されました。また、自分で楽器を鳴らす、歯ブラシを自分で持たせ、手を添えて大人が動かすなどといった能動的感覚体験が重要であるとお話されました。
発達障がい児者の感覚や運動面の困難さの背景や支援方法のあり方について、たくさんのことを教えていただき、それらの苦手さを抱えている子どもの理解を深めるよい機会となったのではないかと思います。
・DCD児について具体的な事例やその背景にあるもの、考えられる状況や支援のあり方など知ることができました。
・DCD児の多くは、自己肯定感が低いことを知りました。子どもの背景になる感覚、運動面での困難さを把握し、それらを軽減するためのアプローチをしていくことの大切さを再認識しました。
・通常学級において、姿勢保持が難しい子や文字の乱雑な子などに対し、これまで、怠けていると決めつけて指導してしまうことがありました。今後は、いろいろな特性や困りの背景を意識しながら対応していきたいと思います。