令和4年度 福井県特別支援教育センター 研修講座一覧

お知らせ

研修講座 掲示板

令和4年度の研修講座は、全て終了いたしました。
多くの方にご参加いただき、また、開催に当たってのご協力をいただき、
ありがとうございました。
         

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R4 研修講座のご案内


◆ パンフレット(pdf)
 
R4研修講座パンフレット.pdf
 

 パンフレットに記載されている予定会場は、変更になる場合があります。
   

講座開催日の約1ヶ月前に本ページで「詳細な実施要項」を公開します。
 「詳細な実施要項」で会場や準備物を必ずご確認ください


R4研修講座

研修講座
No.6  自閉スペクトラム症の理解と支援 ー子どもの困り感の理解と具体的な支援 

実施日
令和4年8月19日(金) 13:00~16:00   
実施方法・会場
福井市 きらら館
Microsoft Teams での開催に変更
講師
認定NPO法人日本ポーテージ協会 スーパーバイザ―  石川湖南支部 認定相談員
 
小坂 正栄 
講師紹介
石川県立保育専門学校非常勤講師、TEACCHプログラム運営委員。福井県内の特別支援学校で多くの研修や講演を行っている。共著:「自閉症の親のための早期療育プログラムの開発」「発達が気になる子どものためのポーテージプログラム入門」
受講のポイント
それぞれの発達段階における自閉スペクトラム症の子どもの特性やかかわり方、個に応じた支援のあり方を豊富な事例の紹介や演習を通して学ぶ。
実施要項2
講義資料①
講義資料②
参加者
117名
講座概要

本講座は、コロナ感染拡大の状況を鑑みて、Microsoft Teamsを使ったオンライン形式の開催に変更して実施しました。認定NPO法人日本ポーテージ協会スーパーバイザー石川湖南支部 認定相談員 小坂 正栄 氏 から、「自閉スペクトラム症のある子どもの理解と支援」について、ご講義をいただきました。

   最初に、小坂先生から、年間約700ケースの相談に対応しているが、どんな相談も決して流さずに、何かしらの解決の糸口を見つけようとしているという話がありました。自閉スペクトラム症の理解のために、まず、定型の発達段階について触れ、そこから自閉スペクトラム症の子どもの発達と困難さ、他障がいとの併存の可能性について教えていただきました。自閉症体験VRを視聴し、自閉スペクトラム症の子どもの見え方・聞こえ方・感じ方を体感し、応用行動分析学に基づく上手なほめ方・しかり方の10カ条などのかかわり方のコツや、小坂先生がこれまでにかかわってきた事例で、どのように「見える化」しながらやりとりを進めてきたのかなど紹介していただきました。その中で、その子の特性を直そうという発想や、こだわりは悪いものという捉えではなく、その子の可能性を引き出すような教育的かかわりが必要であるという話は印象的でした。

   さらに、自閉スペクトラム症の困難さについて、「脳の働き」から説明があり、明示的に説明されれば理解しやすいこと、視覚的に学ぶことの有効性、注意の向け方の独特さを理解すること、そこからどのような支援ができるかについて具体的に教えていただきました。中でも、失禁が頻発する生徒の事例で、ビデオを使いながら客観的情報を丁寧に収集し、根拠のある仮説を立て、物理的環境の見直しをすることで、思いもよらなかった解決方法が見つかったという話や、分かる枠組み作りとして「物理的構造化」が大切であるという実践例は興味深く聞くことができました。

   後半は、参加者から出してもらった、「対応が難しいと感じるケース」について、どのように考えてどう対応していくとよいか教えていただきました。最後に「支援は足し算」であり、今すぐに解決しなくても何かにつながっていくと信じて、継続的・持続的に理解し、支援していく必要があるという話で締めくくられました。

備考
右下の「詳細を表示」をクリックすると講座の概要,当日の様子(写真),参加者の声等が表示されます。
参加者の声
・小坂先生のご講義は、子どもたちの目線に立った事例が多く、多忙な日々で忘れてしまいがちな教師として大事にしていることを思い出させてもらえます。
・視覚化といってもなかなかイメージしきれていなかったのですが、今日の講義で具体例をもとに示してくださり、視覚化することや教室の物理的構造化がとても有効であることがよく分かりました。
・できなかったときに支援を考えるのは難しいが、できた場面からビデオを撮るなどして分析し、根拠のある仮説を立てて、物理的構造化を考えていくことが有効であるということ、子どもたちのいろいろな側面を教育の力で広げていくことが私たちの使命であることなど多くのことを学びました。
・こだわりがあることは悪いことではなくて、本人や周りが困る、社会的に困るこだわりのみ軽減するという考えに少し楽になりました。上手なほめ方・しかり方10カ条はとても参考になりました。
・マインドマップを使ったやりとりの仕方が特に印象に残っています。
・今まで分からずに戸惑うばかりだった自閉スペクトラム症の児童の気持ちや言動について、分かりやすく教えていただきました。これまでは迷いながら糠に釘を打つ気持ちで支援してきましたが、積み上げて実るときが来ることもあると知り、目の前の子のために頑張ろうと思えました。
・「今のままで素晴らしい」でも「もう一歩よりよい方向へ」という言葉がとても印象に残りました。
・通常学級の先生方にも是非聞いていただけるといいなと思ったので、今回の研修を何かしらの形で学校に還元したいと思います。

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