令和4年度 福井県特別支援教育センター 研修講座一覧
お知らせ
R4 研修講座のご案内
◆ パンフレット(pdf)→ R4研修講座パンフレット.pdf
◆ パンフレットに記載されている予定会場は、変更になる場合があります。
◆講座開催日の約1ヶ月前に本ページで「詳細な実施要項」を公開します。
「詳細な実施要項」で会場や準備物を必ずご確認ください。
R4研修講座
小坂 正栄 氏
本講座は、コロナ感染拡大の状況を鑑みて、Microsoft Teamsを使ったオンライン形式の開催に変更して実施しました。認定NPO法人日本ポーテージ協会スーパーバイザー石川湖南支部 認定相談員 小坂 正栄 氏 から、「自閉スペクトラム症のある子どもの理解と支援」について、ご講義をいただきました。 最初に、小坂先生から、年間約700ケースの相談に対応しているが、どんな相談も決して流さずに、何かしらの解決の糸口を見つけようとしているという話がありました。自閉スペクトラム症の理解のために、まず、定型の発達段階について触れ、そこから自閉スペクトラム症の子どもの発達と困難さ、他障がいとの併存の可能性について教えていただきました。自閉症体験VRを視聴し、自閉スペクトラム症の子どもの見え方・聞こえ方・感じ方を体感し、応用行動分析学に基づく上手なほめ方・しかり方の10カ条などのかかわり方のコツや、小坂先生がこれまでにかかわってきた事例で、どのように「見える化」しながらやりとりを進めてきたのかなど紹介していただきました。その中で、その子の特性を直そうという発想や、こだわりは悪いものという捉えではなく、その子の可能性を引き出すような教育的かかわりが必要であるという話は印象的でした。 さらに、自閉スペクトラム症の困難さについて、「脳の働き」から説明があり、明示的に説明されれば理解しやすいこと、視覚的に学ぶことの有効性、注意の向け方の独特さを理解すること、そこからどのような支援ができるかについて具体的に教えていただきました。中でも、失禁が頻発する生徒の事例で、ビデオを使いながら客観的情報を丁寧に収集し、根拠のある仮説を立て、物理的環境の見直しをすることで、思いもよらなかった解決方法が見つかったという話や、分かる枠組み作りとして「物理的構造化」が大切であるという実践例は興味深く聞くことができました。 後半は、参加者から出してもらった、「対応が難しいと感じるケース」について、どのように考えてどう対応していくとよいか教えていただきました。最後に「支援は足し算」であり、今すぐに解決しなくても何かにつながっていくと信じて、継続的・持続的に理解し、支援していく必要があるという話で締めくくられました。 |